海外FXを利用していると、日本国外で発生している利益だから日本で税金を納める必要はないと思ってしまいがちですが実は海外FX業者を利用していても国籍が日本にある以上税金は日本に納める必要があります。

また税金の金額も日本の法律に則って徴収されます。海外FXと国内FXの税金は全く異なる区分ですのでこの機会に両方の税金の違いを理解するようにしましょう。

この記事でわかること
・海外FXと国内FXの違い
・いくらまでなら海外FXの方が税金がお得なのか
・海外FXの税金よくある質問

関連記事:海外FXの税金は?7つの覚えておくべき海外FXの税金基礎知識

海外FXと国内FXの違い

海外FXと国内FXの税率の違い

この章のポイント
・海外FXは総合課税で最大55%の税率がかかる
・国内FXは申告分離課税で一律20.315%の税率がかかる

海外FXは総合課税

海外FXでの利益は雑所得に分類されます。

雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。

雑所得とは利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得
に該当しない所得のことですが今回は海外FXは雑所得に分類されるということだけ覚えておきましょう。

これらの収入は年間で合算されて稼いだ金額に応じて税金がかかります。(累進課税)

所得税率控除金額
〜195万以下15%
(所得税5%+住民税10%)
0円
195万超〜330万以下20%
(所得税10%+住民税10%)
97,500円
330万超〜695万以下30%
(所得税20%+住民税10%)
427,500円
696万超〜900万以下33%
(所得税23%+住民税10%)
636,000円
900万超〜1800万以下43%
(所得税33%+住民税10%)
1,536,000円
1800万超〜4000万以下50%
(所得税40%+住民税10%)
2,796,000円
4000万超〜55%
(所得税45%+住民税10%)
4,796,000円

しかし多くの方が誤解しているように累進課税といっても日本の場合は超過累進課税方式なので1800万円儲かったから55%の税金がかかるという認識は間違いです。それは単純累進課税であり日本の場合はそうではありません。

超過累進課税

このように超えた部分に対して累進課税が適用されます。よくある誤解としては収入が2300万円を超えたから単純に50%(1150万)の税金を支払うように勘違いしがちですが

実際は
195万×15%=約29万
135万×20%=約27万
365万×30%=約109万
205万×33%=約67万
900万×43%=約387万
500万×50%=約250万
合計:約869万円

このように1150万円ではなく実際の税金は869万円になるのでその差なんと281万円も超過支払いの可能性があったのでこれまで勘違いして税務署に収めていた場合には申告して払い戻しできるか確認してみましょう。

国内FXは申告分離課税

国内FXは海外FXとは異なり申告分離課税の対象となります。申告分離課税とはどれだけ稼いでも一律20.315%の税率しかかからないので利益の金額が大きくなるほど節税効果が見込めます。

申告分離課税とは、株式等の譲渡により所得が生じた場合のように、他の所得とは分離して税額を計算し、確定申告によって納税する課税方式です。

申告分離課税の特徴としては株式やその他の所得とは別で海外FXで儲かった部分だけに対して20.315%の税率が課されますので海外FXの累進課税と比べればシンプルなのが特徴です。

海外FX税金のメリットデメリット

総合課税の一覧

海外FX税金のメリット
・海外FXの税金のメリットは『年間420万円以下』の利益であれば国内FXよりも税金が安くなります。
・バイナリーやアフィリエイトなどその他雑所得と損益通算をすることができる。

海外FX税金のデメリット
・稼げば稼ぐほど税金が高くなる
・赤字の繰越ができない
・損益通算できる範囲が限られている

関連記事:海外FXで得た利益を節税する6つの方法とは

年間420万円以下の利益であれば国内FXよりも税金が安くなる。

つまりFX歴1年めであまり軍資金がない場合や主婦などでお小遣い程度のお金をFX取引をしていこうと思えば年間420万円以下の利益に対しては20%程度で税金が収まるので国内FXよりも税金は安くなります。

また少額から始めるのであれば税金以外にも豊富なボーナス制度やハイレバレッジで追証なしの取引環境の方が利益は上げやすくなるでしょう。

バイナリーやアフィリエイトなどの雑所得と損益通算をすることができる

海外FXに興味がある場合はバイナリーオプションなどの取引もした経験があるのではないでしょうか。

海外FXで得た利益とバイナリーオプションでの損失は同年内であれば損益通算をすることができます。

 損益通算とは、各種所得金額の計算上生じた損失のうち一定のもの(下記2(1)~(4)記載の所得)についてのみ、一定の順序にしたがって、総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額等を計算する際に他の各種所得の金額から控除することです。

つまり、損益通算とは海外FXで100万円の利益を出してバイナリーで50万円の損失を出したのであれば課税対象金額は50万に減る(100万円−50万円)ということです。

損益通算をすれば累進課税の対象税率が一段下がる可能性があるので確定申告前にはその年内で他の雑所得で損失を出したかどうかを確認しましょう。

またアフィリエイトなどもしている場合には海外FXで損失を出すと損益通算をして確定申告が必要なくなる可能性もあるので申告前には必ず確認するべきですね。

関連記事:海外FXで得た利益を経費にできるものを一覧にしてみた

国内FX税金のメリットデメリット

申告分離課税に該当するもの

国内FXの税金のメリット
・3年間の赤字の繰越が可能
・株式などとの損益通算が可能
・稼げば稼ぐほど税金は安くなる

国内FXのメリット

どれだけ稼いでも一律20.315%の税金

国内FXの税金は申告分離課税に該当するためどれだけ稼いでも一律20.315%と固定率の税金になります。

海外FXとは違って稼げば稼ぐほど税金は安いということです。

3年間の赤字の繰越が可能

国内FXの場合3年間の赤字の繰越が可能です。赤字の繰越というのは3年前までのFXにおける損失であれば翌年の利益から控除することができるということです。

例えば
1年目:100万円の損失
2年目:50万円の利益→100万円と損益通算→確定申告不要
3年目:80万円の利益→通年で30万円儲かった→確定申告必要&税金は30万円に対してかかる

このように3年以内に損失を出している場合は確定申告をして赤字を繰り越すことが可能です。その赤字は翌年と翌々年の利益と相殺することができるため赤字がある場合には繰越をすることで大きな節税効果が見込めます。

株式などとの損益通算が可能

株式などの申告分離課税の対象となるものと損益通算をすることができます。

株式で出してしまった損失と国内FXで利益を出した場合それらを損益通算することで節税をすることが可能です。また株式も国内FXも赤字の繰越をすることが可能ですので前年の株式の損失と今年の国内FXの利益を相殺することも可能になります。

国内FXの場合は赤字の繰越と損益通算をうまく掛け合わせることによって個人でも節税をすることが可能です。

国内FXのデメリット

年間420万円以下の利益の場合は税金が高い

国内FXの場合どれだけ稼いでも一律20.315%の税率です。

つまり裏を返せばちょっとしか稼いでいなくても同じ税率がかかります。

20万円利益を出した人は4万円の税金を支払い、20億円を稼いだ人は4億円の税金を払います。しかし税金を高く感じるのは10万円の利益を出した人でしょう。

したがってそのような場合は海外FXを利用した方が税金は安くなります(税率と控除を考えると)

国内FXの場合はレバレッジが効かないため少額から始めても資金効率が悪くコツコツとトレードをするしかありませんが海外FXで少額からレバレッジを効かせてリスクを入金額までに押さえた上で利益を出し、その後国内FXへ移るというのも1つの手ではないでしょうか。

バイナリーなどの雑所得とは損益通算ができない

国内FXの場合はバイナリーやアフィリエイトなどの雑所得とは税項目が違うため損益通算をすることができません。

国内FXの場合は申告分離課税の対象となるものと損益通算をし、海外FXであれば雑所得に分類されるものと損益通算をすることができます。

関連記事:海外FXと仮想通貨は損益通算可能?

420万円未満の利益なら国内FXの方がお得なのは本当か?

海外FXと国内FXでは420万円以上の利益を年間であげると海外FXの方が税金が高くなると言われていますが、あくまでも税金の話であり、手元に残る利益ではありません。

FX取引をしているということは税金を支払いたくはないのではなく、どれだけ手元にお金を残せるのか。というのが最終的なゴールなのではないでしょうか。

実際に数億円単位でお金を運用している人はほとんど海外FXを利用しています。税金が大きくなってもそれだけ海外FXに魅力があり、お金も残しやすいということなのではないでしょうか。

では検証していきましょう。税金も含めて国内FXと海外FXでは同じシチュエーションであればどのように利益が手元に残るのでしょう。

わかりやすいようにここでは100万円の元手で考えます。そして海外FXと国内FXで最大の魅力を余すことなく利用した場合を計算します。

ドル円=100円で計算します。

海外FX=(100万円+ボーナス100万円)×レバレッジ1000倍=20億円
国内FX=100万円×レバレッジ25倍=2500万円

海外FX=20億円÷100円/ドル=2000万通貨(200Lot)
国内FX=2500万円÷100円/ドル=25万通貨(2.5Lot)

仮にドル円が1円値上がりした場合
海外FX=2000万通貨×1円=2000万円の利益
国内FX=25万通貨×1円=25万円の利益

税引後手残り
海外FX=2000万×55%=1100万円
国内FX=25万円×20%=5万円

このように海外FXではボーナスやレバレッジがあるため得られる利益が大きくなるので仮に同じトレードをしたとしても税金金額は大きくなるかもしれませんが、手残り金額もそれだけ余ります。

当たり前のことですが税金は稼いだ額以上に取られることはないのでまずはしっかり利益を出せる状態にしてから節税や税金のことにフォーカスしていくといいでしょう。

関連記事:海外FXで得た利益を脱税した場合のペナルティと過去の事例をまとめてみた

海外FXに関する税金Q&A

Q:ボーナスは課税対象になりますか?

A:なりません。しかしボーナスを使って得た利益には課税対象となります。

海外FX業者によっては100%入金ボーナスなどを提供していますが、ボーナスは受け取った時点で『利益』としてカウントされることはありません。つまりボーナスそのものは課税の対象とはなりません。

しかしボーナスを使って得た取引にはもちろん税金がかかります。わかりやすく言うのであればMT4に表記される『残高』の部分が課税対象金額となるということです。

Q:経費は認められますか?

A:FX事業に必要だと税務署に証明できれば認められます。

海外FXを個人口座でやる場合トレードにかかった費用であれば経費計上することができます。例えばパソコンやwi-fiの費用、トレードのセミナー代金やそれにかかった交通費など。

しかし領収書などでしっかりと目的が明確であり、FXの利益を上げるためにかかったコストだということを証明しなければいけません。領収書などは最低でも5年間は保管しておく必要があります。

Q:損益通算はできますか?

A:同年内の雑所得との損益に対しては損益通算が可能です。

国内FXでは赤字の繰越が可能ですが海外FXでは赤字の繰越をすることができません。しかし同年内の雑所得での損失と損益通算することは可能です。

雑所得に当てはまるもの
・海外FX
・バイナリーオプション
・アフィリエイト収入
・個人年金保険

などの損失は同じ年で発生した損失であれば海外FXの利益と損益通算をすることができます。

Q:赤字の繰越はできますか?

A:できません。法人口座にすれば赤字の繰越は可能です。

海外FXは通常個人口座で行いますが、その年に損失を出したからといって確定申告の際に赤字を繰り越すことはできません。赤字の繰越をする場合には海外FXでの利益を事業所得として国から認めてもらうしかありません。

しかし個人事業として海外FXを事業所得として認めてもらうことは非常に難しいので、法人を設立して海外FXの口座を法人口座に変える方が簡単です。

法人口座であれば赤字の繰越は最大9年間可能ですし、他の事業との損益通算も比較的しやすいため節税範囲が広がります。

Q:海外FXと国内FXの確定申告は合算して行ってもいいの?

Q:できません。海外FXと国内FXの利益は別所得として分類されるためそれぞれの手続きが必要になります。

海外FXと国内FXは税項目が異なるためまとめて確定申告をすることができません。それぞれの損益を別々の形で確定申告をする必要があります。

Q:国内FXで繰越した赤字は翌年の海外FXの控除になるのか?

A:なりません。国内FXの赤字の繰越が海外FXの利益の控除額になることはありません。

国内FXで繰越した赤字は翌年の株式やFXでの利益の控除にはなりますが海外FXの控除にはなりません。

また海外FXは赤字の繰越をすることはできませんが同年内での雑所得との損益通算は可能です。

Q:国内FXの損失を海外FXで節税する方法はありませんか?

A:ありません。国内FXと海外FXでは損益通算をすることができません。

海外FXは雑所得、国内FXは申告分離課税に該当するため損益通算をすることはできません。

国内FXでは株式や土地の譲渡などとの損失と損益通算が可能ですが海外FXの場合仮想通貨やバイナリーオプション、アフィリエイトなどの雑所得と損益通算をすることができます。

Q:自動売買ツールを70万で買いました。40万円の利益は確定申告は必要ですか?

A:必要です。自動売買ツールは5年焼却のため14万円ずつの経費計上が可能です。

FX専業トレーダだとして考えると自動売買ツールはソフトウェアに該当するため減価償却の期間は5年間です。

70万円÷5年=14万/年

の減価償却(経費計上)が可能です。自動売買ツールを買ってその年に40万円の利益を出したのであれば

40万円−14万円=26万円

専業トレーダーであれば確定申告は必要ないですがその他給与所得をもらっている場合には確定申告が必要になります。

Q:妻名義の口座で取引をした場合は確定申告は必要ですか?

A:正当なルートで口座開設をしたのであれば軍資金が夫のものだろうと妻の収入になります。

もしあなたが旦那さんから軍資金をもらって自分のFX口座で利益を出したとすると年間38万円以下の利益に対しては確定申告は必要ありません。しかしそれを超過すると確定申告が必要になります。

旦那からの軍資金は110万円を超えると贈与としての扱いになるため税金がかかります。それ以下の金額の軍資金にしたほうがいいでしょう。

Q:国内FXも確定申告は必要なの?

A:必要です。非給与所得者か給与所得者かによって違います。

サラリーマンなどの会社から給料をもらう給与所得者の場合は年間雑所得による利益が20万円を超える場合には確定申告が必要です。

主婦などの非給与所得者の場合には年間38万円を超える雑所得の利益があれば確定申告が必要になります。

海外FXと国内FXの税金についてのまとめ

海外FXと国内FXの税金についてだけ見ていくと圧倒的に国内FXの方が安く見えます。確かに税金だけを考えた場合、年間420万円を超えるのであれば国内FXを利用した方がいいですが、ほとんどの方はFXの利益が年間420万円もありません。

国内FXではレバレッジが25倍まで制限されていると同時に追証もあります。

FX歴が長く十分な証拠金がある場合には国内FXのレバレッジでも取引が可能でしょうがこれからFXを始めるという場合には海外FXの追証なしの取引環境で資金効率を高めてリスクは限定的にして行った方がいいでしょう。

少額からレバレッジをかけて資金を得るとともに、その資金を元手に国内FXでレバレッジ25倍で運用していくことが理想なのではないでしょうか。

つまり海外FXと国内FXを選ぶ際には税金面だけではなくレバレッジや追証の有無、ボーナス制度など税金以外にも多くのことを考慮して選択して行くようにしましょう。

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