
FX取引をしているとレバレッジを選択する画面がありますがこのレバレッジをしっかり認識していないと借金になってしまったということにもなります。
FX初心者こそしっかりレバレッジに関して理解することは今後の取引戦略を立てる上で重要なことになりますし、借金になることを避けることにつながります。
レバレッジに関する教養をしっかり持って国内FXを利用するのかそれとも海外FXを利用するのかをじっくり考えるのがいいのではないでしょうか。
今回はFX初心者の方でもわかりやすくレバレッジに関して詳しく解説していきます。
Contents
レバレッジとは少ない証拠金で大きな取引をすること
レバレッジとはレバー(Lever)が元々の言葉でありテコを意味します。レバレッジとはつまり少ない証拠金で大きな取引をすることです。
『その方法じゃレバレッジが効かないよ』
『レバレッジもっと効かせてよ』
など日常的にも使われる言葉がレバレッジですがFXや株式投資などにおいてのレバレッジは少ない証拠金で大きな金額を取引することを指します。
少額からでも大きな金額を取引することでより大きなリターンが狙えることからFXにおいてレバレッジを効かせて取引することが多いです。
レバレッジは信用取引をする上で最大のメリットとなる
レバレッジをかけられるのは信用取引でのみになります。取引には現物取引と信用取引の2つがあります。現物取引とはその名の通りそのもの自体を取引するので仮に株が1つ1万円であれば1万円の資金を元手に1つ買うことができます。
しかし信用取引の場合は証拠金(原資)を担保にすることで証券会社(FX業者や株式の証券会社)が証拠金以上の取引を可能にしてくれます。
具体的にはレバレッジが10倍の場合1万円の商品は1,000円の入金だけで取引ができます。
もしレバレッジが100倍の場合には1万円の商品は100円の入金だけで取引をすることができます。
なぜレバレッジが必要なのか
ではなぜレバレッジが必要なのでしょうか。株式投資をするとなると元手が100万円程度は必要になることはご存知ですよね。
なぜ株式投資の場合は元手がそんなに必要なのでしょうか。それは株式投資の場合『単元株』というものがあります。つまりその株式を購入するのにある程度まとめて購入する必要があるのです。
例えばユニクロ(ファーストリテーリング)の株価は2020年4月現在47,820円です。しかし100株からしか購入することができないのでユニクロの株を買う場合には478万円の資金が必要になるということです。
これではお金持ちしか株式投資をすることができません。
またFXでも同じです。ドルを買う場合には最低でも100通貨から購入する必要があります。ドルが仮に110円だとしたら11,000円の資金が必要になります。
これでは少額投資家は参入することができませんし、投資家の数が少なくなれば市場の流動性(売買の頻度)も落ちて売買が活発になりません。売買が活発にならなければ証券会社は手数料商売をしているので儲かることができないのです。また流動性がなければ投資家も売りたいときに売れないということを懸念して投資をしなくなるのです。
そこでレバレッジを導入することで少額の資金でも売買ができるような仕組みが導入されました。
レバレッジがなぜ危険と言われるのか
レバレッジは危険ということをなんとなく聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
実際に日本国内では1998年に個人が外国為替に参入することができるようになりFX初期には日本国内でも500倍のレバレッジで取引をすることができていました。
しかし年々規制が激しくなってきて今では最大25倍のレバレッジまでとなっています。
金融庁はレバレッジを規制するにあたって『投資家保護』と言っていますがなぜレバレッジ規制が投資家の安全に繋がるのでしょうか。それは追証と深い関係があったのです。
追証とは
追証とは追加保証金の略称ですがFXや株式などの信用取引(レバレッジをかけて取引すること)をする場合には元本以上の金額を取引するため入金額以上の損失を出すことがあります。
日本の証券取引法には顧客の損失を金融機関が補填することは禁じていますので元本以上にマイナスになった損失は顧客が負担しなければいけません。
2008年のリーマンショック、2015年のスイスフランショック、2018年のトルコリラショックなど、世界では3〜5年ごとに金融危機が起こっています。その際には追証が多額に発生し、多くの個人投資家が追証を請求され債務不履行となり自己破産をすることになりました。
個人投資家が支払えない追証はFX会社や証券会社が建て替えることになるのでレバレッジを効かせてマイナス残高を発生させると誰も得をしないということになります。
そしてレバレッジ規制をかけることによって追証を発生しにくくするように法整備が進んだのです。
しかしレバレッジが現在でも存在するということはレバレッジにはメリットもあるのです。
レバレッジのメリット
元手の何倍もの資金を取引することができる
レバレッジは元手の何倍もの資金を取引することができるので大きなリターンを得られるというメリットがあります。
証拠金10万円の場合 | 最大取引可能金額 | 最大取引量 (ドル=100円の場合) | 100Pipsの利益 (0.1円の利益) |
---|---|---|---|
レバレッジなし | 10万円 | 1000通貨 | 100円 |
レバレッジ10倍 | 100万円 | 10,000通貨 | 1000円 |
レバレッジ25倍 | 250万円 | 25,000通貨 | 2500円 |
レバレッジ100倍 | 1000万円 | 100,000通貨 | 1万円 |
レバレッジ500倍 | 5000万円 | 500,000通貨 | 5万円 |
レバレッジ1000倍 | 1億円 | 1,000,000通貨 | 10万円 |
上記の表のようにレバレッジをかけることによって大きな取引をすることができます。同じ利幅だとしてもリターンが大きく異なることから同じエントリーポイントと決済ポイントであれば大きな取引をした方がより利益が出るということです。
レバレッジのデメリット
追証になる可能性がある
レバレッジのデメリットでもあるのが追証です。追証は追加保証金の略称ですが信用取引によって原資よりも大きな金額を取引する以上入金額以上のマイナスになることがあります。
そのマイナス分は顧客が補填しなければいけないのでマイナス残高(追証)を発生させるとFX業者から『〇〇日までにここに振り込んでください』という連絡がきます。
入金額を失いさらに追加でお金を求められるとなるとなれば追証が発生する環境では取引をしたくないというのが本音です。
関連記事:追証が発生したら支払わなきゃいけないの?支払えない場合の対処法は?
少しの逆行でロスカットになる
レバレッジをかけて取引すると大きな利益を得られる反面で損失もそれだけ膨らみやすくなります。
証拠金10万円の場合 | 最大取引可能金額 | 最大取引量 (ドル=100円の場合) | 100Pipsの損失 (0.1円の損失) |
---|---|---|---|
レバレッジなし | 10万円 | 1000通貨 | −100円 |
レバレッジ10倍 | 100万円 | 10,000通貨 | −1000円 |
レバレッジ25倍 | 250万円 | 25,000通貨 | −2500円 |
レバレッジ100倍 | 1000万円 | 100,000通貨 | −1万円 |
レバレッジ500倍 | 5000万円 | 500,000通貨 | −5万円 |
レバレッジ1000倍 | 1億円 | 1,000,000通貨 | −10万円 |
先ほどと同じ取引をした場合10万円の証拠金で実行レバレッジを1000倍かけた場合は0.1円の逆行でロスカットとなり元本は失います。もしレバレッジを10倍に抑えていれば損失は1,000円ですみます。
つまりハイレバレッジというのはそれだけリターンも大きければ損失にもなりやすいということです。
ハイレバレッジが危険というのは初心者トレーダーには危険です。
関連記事:追証と証拠金維持率の関係を初心者でもわかりやすいように解説
取引量が多いためマイナススワップの場合は多くつく
ハイレバレッジで取引をする場合取引量が多いのでスワップが多くつきます。
スワップとは2カ国間の政策金利の差額を毎日付与されるものですがマイナススワップの方が大きくなります。
FX業者がプラススワップの1部を持っていくため仮に両建てをしたとしてもマイナススワップの方が大きくなるのでレバレッジを効かせて大きな取引をする場合には長期保有の際にマイナススワップだと不利に働きます。
国内FXの最大レバレッジは25倍で追証がある
国内FXでは金融商品取引法によってレバレッジが25倍に規制されています。
どこのFX業者でも25倍以上のレバレッジを提供することはできません。
また国内FXでは顧客の損失を補填することを禁じているため追証が発生することもあります。
国内FXでは追証を発生させて顧客が支払わないとなるとFX業者が建て替えることになるのでマイナス残高を出さないためにもロスカット水準は100%と高めに設定されています。
海外FXの最大レバレッジは1000倍で追証がない
海外FXの場合は日本の法律には制限されないため最大でレバレッジ1000倍を提供しているところもあります。
また海外FXは顧客のマイナス残高を補填してもいいので多くの業者がゼロカットを提供しています。
ゼロカットとは顧客がマイナス残高(追証)を発生させた際にFX業者がそのマイナス分を相殺してなかったことにしてくれる仕組みです。
これによって海外FXの場合はリスクは最大でも入金額までとなっています。
リスクは限定され、リターンは無限大というのは海外FXのメリットです。
関連記事:海外FXのゼロカットとは?なぜ追証が解消されるの?
デモ取引ができるFX業者を選ぶ
もし上記の解説を見てもレバレッジというのがあまり理解できなかったという場合には実際に取引をしてみるのがいいでしょう。
国内FXでも海外FXでもデモ口座を開設することによって架空のお金でFX取引をすることができます。架空のお金なのでどれだけハイレバレッジでやっても低レバレッジでやっても問題ありません。
習うより慣れよと言いますがレバレッジも同じで1000倍のレバレッジでも25倍のレバレッジでも実際に取引をしながら学んでいくのが最善かと思います。
レバレッジまとめ
レバレッジは諸刃の剣でありリターンが大きければそれだけリスクも高まります。同じ獲得値幅でもレバレッジをかけている場合とかけていない場合では利益も違ってきます。
しかし大きな取引をするため相場が逆行した場合にはレバレッジをかけている時の方がロスカットはされやすくなります。
レバレッジをかける場合にはどれだけの逆行でロスカットになるのか。そして追証になる可能性はあるのかということをしっかり理解して取引するようにしましょう。
テクニカル分析に優れた専業トレーダーのようにエントリーポイントが上手ければレバレッジをかけた取引は吉と出ますが、FX初心者の場合はレバレッジをかけるとそれだけ追証になる可能性があります。
レバレッジに関してしっかりと理解して取引をするようにしましょう。